日帰り大腸ポリープ切除術

どうやって大腸のポリープを切除するのですか?

 大腸内視鏡検査でポリープが発見された場合、または既にポリープと診断されている場合、放置しておくと近いうちに癌になる可能性、もしくはポリープの一部に癌が潜んでいる可能性があるため、内視鏡にて切除することをお勧めします。

方針イメージ

 

 大腸内視鏡を使いポリープを確認し、粘膜下に生理食塩水を注入しポリープを浮き上がらせます。その後スネアをポリープの頚にかけて切除します。これをEMR(内視鏡的粘膜切除術)といいます。

 具体的に見てみましょう。

 

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 画面の右下に平べったいポリープがあるのがお分かりでしょうか。

 

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 近寄ってズームをかけると、表面の模様が周囲の正常粘膜と違うことがわかります。

 

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生理食塩水を粘膜の下に針で打ち込んで、粘膜を挙上させます。

 

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内視鏡の先端からスネアという金属製の輪っかを出し、ポリープのまわりを縛ります。

 

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電気を通して焼き切りました。

 

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クリップと呼ばれる金属製の洗濯バサミのような器具で傷口を縫い合わせます。

 

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傷口が塞がりました。クリップは1ヶ月くらいすると自然に脱落します。

合併症の可能性は?

1 出血;クリップ、止血剤等を使い可能な限り出血の予防は行いますが、粘膜を切除する以上はどうしても出血の可能性は避けられません。出血がみられたら当院で内視鏡を用いた止血処置を行います(追加料金が発生します)が、連携病院で入院の上輸血・手術になる場合もまれにあります。

2 穿孔;生理食塩水を用いて粘膜を挙上させ、切除の際に穿孔が起こる事を防ぎます。しかし腸管の状態によっては粘膜より深い筋層までの切除も起こり得ます。通常はクリップによる創部の閉鎖等を行います。また穿孔まで至っていなくても、切除面の状況によっては連携病院に入院の上、絶食の上保存治療になります。腹膜炎などを合併した際には開腹手術の可能性もあります(連携病院にて入院料が発生します)。

3 その他;まれにショック(当院では今まで起こったことはありません)

 そのほかにも予測できないことが起こる可能性は否定できませんが、すぐに対処させていただきます。これらの合併症の発生頻度は、1993年から1997年の全国集計では約0.14%と報告されており(1000人に1~2人)、術後少なくとも1週間までは起こり得ますので、術後1週間は旅行・運動・飲酒は控えてください。

 出血は48時間以内に起こることが多いですが、術後1週間は排便後に出血が無いかを確認して下さい。出血の兆候があれば直ちに連絡して下さい。
組織の結果は2週間程度で出ます。その結果が悪性腫瘍で、粘膜の深部まで浸潤し腫瘍がとり切れていなかったり、広がりが大きく取り切れていなかったりした場合もあります。この場合は追加的に外科手術が必要になります。

ポリープを切除したあと、どんな事に気をつければいいですか?

 術後1週間程度は旅行や運動・アルコール摂取は控えていただきますので、日程を決める際にはご配慮ください。

 切除した場所は電気で焼ききった際に潰瘍となります。まれに切除した場所からの出血・穿孔(腸に穴があくこと)などの合併症が起こることがあります。このような合併症は切除時のみならず、切除後少なくとも1週間くらいの間起こりうることが知られています。そのため切除後少なくとも1週間は以下の注意を守るようにしてください。

○ 消化のよい食事を心がけ、刺激の強いもの(香辛料・コーヒーなど)やアルコールの摂取は避けてください。


○ 安静を心がけ、激しい運動(ジョギング・ゴルフなど)や出張・旅行などの遠出は控えてください。


○ 入浴は避け、シャワー程度にしてください(サウナ厳禁!)。


○ ワーファリンや血栓予防薬・消炎鎮痛剤(痛み止め・解熱剤・かぜ薬)など血を止まりにくくするような薬の服用はやめてください。


○ 自転車に乗らないでください。サドルにまたがってペダルをこぐと腹圧がかかって危険です。また重いものを持ち上げることも避けてください。


○ 万が一、腹痛・下血・黒い便・発熱などがみられたときには、下記まで連絡してください。必要と思われた場合には緊急内視鏡を行い、処置を行わせていただきます。

 ワーファリンや血栓の予防薬・消炎鎮痛剤(痛み止め・解熱剤・かぜ薬)などは血を止まりにくくする作用がありますので、これらのお薬を服用されている方は必ず医師にお伝えください。

ポリープ切除の流れを教えてください

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 とにかく肉眼で見えても見えなくても、便に血が混ざっている時点で検査の必要があります。決して痔からの出血だから大丈夫だと思い込まないでください。

 初診時に肝臓・胆嚢・腎臓・膵臓に異常がないか腹部超音波検査を行います。その後、一度内視鏡を受けた後にポリープがあれば日を改めて切除されるか、あるいは内視鏡検査を行うと同時にポリープが見つかればその場で切除するかを選択していただきます。

 アスピリンなどの抗血小板薬や、ワーファリンなどの抗凝固薬を服用されている方は、薬を止めずにまず内視鏡で観察し、切除適用のポリープがあれば、後日あらためて切除を行います。

 同日にポリープの切除を行う方は、説明を聞いていただき同意書にサインをしていただくのと、事前に血がちゃんと止まるかや貧血の有無などについて血液検査を行います。

 内視鏡で取りきれると判断されたポリープは当院で切除します。傷口が大きくなりすぎて危険と予想されるポリープや、すでに癌化していて内視鏡で取りきれないと判断されたポリープについては、改めて提携病院に入院の上切除となります。またポリープの数が6個以上と多い場合には、2回以上にわけて改めて切除を行う場合もあります。

どれ位の方が毎年大腸ポリープを切除されているのですか?

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当院では毎年50~100人の方が大腸ポリープ切除術を受けておられます。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医の資格をもつ当院に、お気軽にご相談ください。