鼻から入れる細径胃カメラ

なぜ鼻から胃カメラを入れると楽なのか?

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 胃カメラを従来通り口から入れた写真です。舌根(舌の付け根)に触れていますね?

 舌根にものが当たると嘔吐反射が起こります。自分で吐きたいときに自分の指を喉の奥に突っ込むことがありますね?あれと同じです。

 

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 今度は胃カメラを模型の鼻から入れた写真です。舌根(舌の根元)に触れていないのがわかりますか?

 実に単純なことですが、これが

   嘔吐反射が起こりにくい=楽に胃カメラが飲める

 仕組みなのです。

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 左から マッチ・経鼻内視鏡(径5.9mm)・従来の経口内視鏡(径9mm)・タバコです。

 さすがにマッチよりは太いですが、タバコよりは細いです。

 

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当院で使用している機械です。(FUJIFILM社製EP8000  2024年4月発売)

 鼻から入れる胃カメラ(内視鏡)は基本的に鼻腔内および咽頭のゼリー状局所麻酔の塗布と、鼻出血防止のための毛細血管収縮剤の少量注入だけで行うため、患者さんの意識状態は普段の時と変わりません。

 モニターで映ったご自身の胃の中をリアルタイムで見ていただくことが出来ます。

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 当院では日本消化器内視鏡学会が定める消化器内視鏡機器洗浄・消毒Minimal Standardに基づき、内視鏡検査一回ごとにオゾン水による消毒を行っております。これにより各種細菌・肝炎ウイルス・HIVなどに対する消毒を徹底しています。

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胃カメラがオゾン水に浸かって洗浄されているのがお分かりでしょうか。

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もちろん内視鏡の鉗子口から出る生検鉗子で即座に粘膜組織検査が出来ます。

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 生検鉗子など内視鏡検査で仕様した器具は超音波洗浄機で洗浄したのち、オートクレーブ装置で完全に滅菌します。

当院の内視鏡は何が新しいのか?

 

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 LASEREOシステムのレーザー光源装置は白色光用とBLI用の2つの波長のレーザーを搭載しています。白色光用レーザーは、蛍光体を発光させて白色光照明を得るための励起光として使用します。BLI用レーザーは血管・表面構造の情報を高コントラストな信号として取得するために使用します。2種類のレーザーの発光強度比を変えることで、白色光観察と狭帯域光観察それぞれに適した光を照射し、画像処理との組合せによって4つの観察タイプを切替えて使用できます。(FUJIFILMHPより)

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短波長狭帯域光観察BLI(Blue LASER Imaging)を用いた画像では、、表層血管観察に適した短波長レーザー光を照射して得られる高コントラストな信号に画像処理を行うことによって、血管や表面構造の観察に適した画像を表示します。(FUJIFILMHPより)

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LCI(Linked Color Imaging)を用いた画像では、赤みを帯びた色はより赤く、白っぽい色はより白くなるように色の拡張・縮小を行い、粘膜の微妙な色の違いを強調し、炎症診断をサポートします。(FUJIFILMHPより)

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上の写真は早期胃がんを通常光で観察した画像です。どこにがんがあるか分りますか?

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LCIで観察すると、赤く胃がんの部分が強調されて観察することが出来ます(FUJIFILM提供)。

よくあるご質問

Q1. 胃カメラを鼻から入れるのと口から入れるのとではどちらが楽ですか?

A. 出雲中央クリニック(島根県)でおよそ2,000人にアンケート調査を行った結果、過去に口から挿入する従来の内視鏡検査を経験したことがあり、初めて経鼻内視鏡検査を受けた患者さんの95%が、今後、経鼻内視鏡検査の方を希望すると回答されておられます。更に、3分の2の患者さんが、今後は口からの胃内視鏡検査は受けたくないが、経鼻内視鏡であれば検査を受けても良いとの結果が出ています。

 どれだけ楽なのかは自分で体験してみないとわからないので、私自身鼻から胃カメラを入れてもらいました。 
 
 私事で申し訳ないのですが、私は暴飲暴食がたたって胃炎になったことがあったりしました。定期健康診断の意味でも胃カメラは欠かせないと思い、20歳の時から28年間の間に14回胃カメラを飲んだことがあります。いままで口から胃カメラ入れている時はすさまじい嘔吐の連続で、まさに「生き地獄」とはこのことかと思いました。

 2005年に前述の出雲中央クリニックをはるばる訪ね、実際経鼻内視鏡を飲んでみました。正直に申し上げますが、「楽!」でした!多少の鼻の奥の違和感と喉になにかが詰まった感じ、それとおなかがなにか張った感じはあるものの、目の前の自分の胃の中が映ってるモニターをゆっくりみることが出来ましたし、検査中先生と会話も出来ました。これなら1年に一回の検診も怖くないと思い、味を占めた私は、また今年もいつ検査を受けようかなあ、などと考えております。

Q2. 鼻から入れる胃カメラ検査は時間がかかると聞いたんですが・・・

A. 口から入れる胃カメラと時間的には殆ど違いはありません。ゼリーによる鼻腔内の麻酔に約5分、胃カメラ検査自体は胃のなかに異常がみつからなければ5分弱で終わります。

Q3. 全身麻酔や鎮静剤はかけないんですか?

A. かけません。正確にはかける必要がありません。現に私が何もt投与されずに鼻から胃カメラをやってもらったのですから。咽頭と鼻腔のゼリー状局所麻酔だけで十分です。全身麻酔といってもアレルギーや呼吸抑制といった合併症など、いろんな問題があります。手術をするわけでもないのに気やすく使うのは危険であると私は考えています。

Q4. 鼻から入れる胃カメラは口から入れる場合より検査料が高いんですか?

A. 検査料は同じ値段です。病変が見つかった場合、顕微鏡レベルでの詳しい検査を行うため、生検(粘膜からの組織採取検査)をおこなうことがあります。その際には別途生検料がかかります。

Q5. 鼻から入れる胃カメラは、口から入れるカメラに比べて画像の質が落ちると聞いたんですが・・・

A. 他社の製品についてはよく知りませんが、当院で採用しているFUJIFILM製内視鏡システムではより鮮明な画像を取得できる独自の新スーパーCCDハニカムを搭載しております。腺管構造や微細な血管走行などの描写力の向上が期待できる高画質画像を提供し、径5.9mmの極細径を維持しつつ、経口スコープにも劣らない高画質を提供しています。

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夕方も胃カメラを受けられますか?

 可能です。朝7時位までにパンなどの軽い朝食を食べて、昼を抜いてお茶・お水だけにしていただけければ、夕方5時~6時スタートで胃カメラを受ける事が出来ます。仕事帰りにもどうぞ。詳しくはお電話ください。

毎年どれ位の方が胃カメラを受けられますか?

 

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 当院では毎年1000名前後の方が胃カメラを受けられています。そのうちの殆どの方が鼻からの胃カメラを選択されています。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医の資格をもつ当院に、お気軽にご相談ください。

費用はいくら位ですか?

 胃カメラ検査だけだと初診料も含め5,000円位(3割負担の場合)ですが、病理組織検査(組織生検)やピロリ菌検査・腹部超音波検査も追加になると10,000円を超えることもあります。詳しくは電話でお問い合わせください。基本的に健康保険で診察される方は、料金は全国一律です。